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拳正館

 武道は礼に始まり礼に終わると言いますように、拳正館でも非常に礼法を大切にしています。礼法といっても別に大それた事をするのではありません。 挨拶や靴をちゃんと揃える、返事をする事などです。 実はこれは「しつけ三原則」と言われるもので、家庭において人を育てる上で大変重要な事柄なのです。
1. 朝、親に挨拶をすること。
2. 親に呼ばれたら「ハイ」とはっきり返事をすること。
3. 履物を脱いだら揃え、席を立ったら椅子を直すこと。
 簡単なことのようですが、今の家庭ではなかなか出来ていないのが現状です。 ですから、道場で武道の修行を行いながら「挨拶、返事、却下照顧」の三つを身につけるようにしています。今のうちに習慣として身につけておけば、周りのことに注意が向き、人の中で生活している自分を感じることができるはずです。 さらに大きな声を出せることも必要です。最近は大きな声を出せない子供達が多いので驚きです。大声を出せる環境が無いことが一番のようですが…。腹から大きな声を出すことは健康にも大きな関係がありますし、護身にも役立ちます。
 また、近年の子供達は本当に運動能力が落ちているようですね。 よく転んだり、自分の体を思い通りに動かせなったりする子が増えてきたそうです。 これは小さい時に体を動かして遊んでいないことに主な原因があるといわれています。小学生の間までに基礎的な運動能力を身につけないと取り返しのつかないことになります。
 これは身体の運動能力だけでなく、身を守るという観点から考えても、大変な重要な問題です。 何か危機が迫ってもとっさに身を守れないでしょうし、このような子供たちが大人になってバイクや車を運転するようになったらと思うだけでも恐怖です。人が迫ってきても避けきれないでしょう。
 しかし、小学校を卒業するまでに鍛えておけば大丈夫ですし、脳にもよい影響を与えるそうです。 現代の悪しき風評に、体育会系は頭がイマイチというのがあります。しかし、これは大きな誤りで、運動ができて勉強にも優秀な成績を収めている子はたくさんいます。 サッカーの中田選手は高校卒業時、東大に入れる実力があったそうです。実際頭が良くなくては優秀なアスリートにはなれませんし、剣道などの武道をしている子供に成績優秀な子供が多いという研究結果が出ています。 「文武両道」という言葉がありますが、まさにこのことを表しています。子供達には適度な運動をして、脳に刺激を与えることが必要です。 ですから、道場でも年少部には基礎的な運動を重要視して行っております。
 稽古内容としては、大人と同様で「基本稽古」「相対稽古」と「乱捕り稽古」を行っています。ただし、逆技は手首などの関節がまだ成長していないので行いませんし、「法力稽古」は無理なので教えていません。
 今は大変な世の中になってきました。 殺人事件をはじめ恐ろしい事件が後を絶ちません。 いつ自分の身に危険が迫るか分からなくなってきました。 学校でも陰湿ないじめが問題になっています。いじめられる子供にとっては毎日が地獄のようでしょう。 いじめる人間は卑劣の一言ですが、人類発祥の昔からいじめはあったと言われています。 つまりはこれから先もいじめる卑劣な人間は、なかなかいなくならないという事です。拳正館では「いじめられない・いじめない」という考えで子供を指導しています。
 いじめられない為には自分に自信もつこと。 強い心とからだを作ることです。 護身は役に立ちます。 人をいじめる子供にならない為には、人の痛みを知り、人の事を考えられるような人間になることが必要です。これを少しずつでも道場で指導していきたいと思います。そして智仁勇の三徳を兼備し、義にとんだ、日本の将来を担う素晴らしい人材になって頂きたいと思っています。
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